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代表ブログ

世阿弥の言葉
2020.7.17

皆さんこんにちは、社長の井坪です。
雨降りが続き、飯田市でも人命が失われるほどの土砂災害が発生してしまいました。
山脈に囲まれた地形で台風災害も少なかったように感じる当地区ですので、今回の災害は衝撃でした。
コロナが収束しない中で、降り続いた記録的な雨。『命を脅かす脅威』を感じずにはいられない日々。
それでも運良く『命ある私たち』にはやってくる今日がある。
未来を変えられる今日がある。
だから明るく一生懸命頑張って生きていたいなと思う今日この頃です。


さて皆様はいかがお過ごしでしょうか。


ロータリークラブで毎月配布される『ロータリーの友』という本があります。
その中に、ジャパネットたかたの創業者として有名な高田明氏の書いた記事がありました。
『我見と離見、離見の見 時分の花』という見出しが気になり読みました。
するとそこには、能の大成者世阿弥が600年以上前に、未来(100年後)の能役者に向けて書いたとされる本:花鏡(かきょう)に書かれていることが取り上げられていました。
演者には3つの視点を意識することが重要。①我見(我、役者自身の視点)②離見(顧客が役者を見る視点)③離見の見(我見と離見を客観的に俯瞰して見る視点)がその3つ。
高田氏はこれをわかりやすく、業界の常識は消費者の常識でない、政治家の常識は国民の常識でない、学校の先生の常識は子供たちの常識でない...と説明され、常に人を、相手を、感じる心を持って生きていないと共存できない。その為にも『離見』離れて見ること、客観的に相手の立場で自分を見ることが重要。と記されておりました。

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我々のよく知る『初心忘るべからず』も、なんと世阿弥の言葉。
悩みと闘わなければならない課題はどの世代にもあるので、二十代の初心、三十代の初心、五十代の初心、百歳の初心を極めていこうという意味だそうです。
続いて【一流になるには】という節の説明に『時の花』『真の花』という言葉が登場しました。
時の花は、瞬間の美、その年代の美しさ、ブレイクみたいなもの。
真の花は、真実の花、老いても美しい、本物。
真の花(一流)を手に入れる為に、自分に足りないものは何か?と常に謙虚に学んでいく心、姿勢が大事で、人は常に学んでいかないと成長しない。と書かれておりました。

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600年以上前に生きた『能』の役者さんが未来に残した貴重な言葉。
高田氏がここに書かれなかったら、おそらく知る由もない私でした。
世阿弥とは生きる世界も、系統も違いますが、プロとして・人間としての心得の本質は同じなんだということに気づかされました。
それほど若くはありませんが時の花に浮かれずに謙虚に学び、何歳になっても初心を持ち、『離見』の姿勢で相手に接し、『離見の見』で社会に良い影響を与えていきたいと思いました。感謝!

自然
2020.7.10

皆さんこんにちは、社長の井坪です。
7月7日の夜、雨間の夜空に打ち上げられる花火を見ました。
地元では毎年、夏の打上げ花火の始まりとして知られる『冨士山稲荷神社例大祭(麦わらまつり)の花火』です。
かつて神社周辺が麦畑で、収穫後の麦わらを松明にして祭を行ったことから「麦わら祭り」と呼ばれているそうです。 飯田の夏の花火は、この例大祭から始まり。
奉納煙火は約800発と発表されておりますが、今年は15分の打上げで終わりました。
「今年はこれが最初で最後かもな」と思い窓を全開にして音も楽しめました。
貴重に感じながら見る花火はいつもよりも風情があり、大変な時世でも夏の訪れを味わうことが出来ました。
花火師、関係者の皆様ありがとうございました。


さて皆様はいかがお過ごしでしょうか。


未だに収束の兆しが見えてこないコロナショックの中、列島を集中豪雨が襲いました。
豪雨の原因は「線状降水帯」と言われるもので、線状降水帯をもたらす水蒸気は日本の場合は全て海の上から入ってくるので、海の上での観測が重要になって来るそうです。
つまり海上の気象状況に左右される線状降水帯の発生は、現在の観測データだけでは予測することが難しく、より警戒が必要だと有識者が話していました。
予測が難しい雨ですで、本当に困ってしまします...。

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当地域も今回の豪雨は例外ではなく、水曜日朝には警戒レベル5が発令されました。
出社してきた職人を集め、この日の『休工』を決めました。私の記憶では、2014年2月15日の大雪以来の休工です。
「今日は雨対策の日で動こう!」と言って棟梁達はアフターが発生した際にいつでも出動できるように工場で待機させました。
心配した天気は昼までに回復したので良かったのですが、こういった事態が続くと更にBCP(事業継続計画)が重要になってきます。
BCPは以前私が、俄仕込みで作成したものがあるのですが実際は絵に描いた餅。
社内で今一度、目的の理解から共有し、役割を確かめ訓練等も行わなければと思いました。
大切なのは何よりも人命です!

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次々と起こる予測困難な災害。自然に対する人間の無力さを痛感するばかりです。
全ての危険から守れる家を作りたい!と努力に努力を重ねても、時に大自然は表情を変えてそれを凌駕し壊していきます。
太古の昔から家づくりは、それとの戦いだったのだとは思いますが、逆に自然が与えてくれる恩恵までも制御してしまうような考え方も現れてきました。
大きな自然に泣いたり、笑ったり、願ったり、人間らしく。
剛を剛で制するばかりではなく、上手に寄り添う方法を考えた方が良さそうな気もしています。感謝!