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代表ブログ

時代
2020.8.28

皆さんこんにちは、社長の井坪です。
もうすぐ8月が終わろうとしていますが、まだまだ暑い日が続いています。
マスク着用の酷暑で、NEWSではコロナ感染者数と共に熱中症患者も多数報告されています。
なんとも大変な世の中ですが、とにかく工夫して生きていくしかなく『新しい働き方』を模索する日々が続きます...


さて皆様はいかがお過ごしでしょうか。


今週、親父の親友でビジネスパートナーであった元ナガイの専務・相談役を務められた磯田勝さんが79歳でお亡くなりになられました。
磯田さんは、井坪工務店が創業された頃からの担当者で、入社時にはよく「磯ちゃはリヤカーで建材を運んできた!」という話を聞かされました。
つまり『しっかり材料を拾って発注をしないと建材屋さんにも多大なご迷惑をかける』という心得を教えるために大工に語り継がれた話でした。
通信や運搬が発達すると気軽にモノを頼み運ぶ事ができるようになり、段取りが慎重でなくなってしまうのではないか?ということを先人たちは危惧して『段取り八分!』と私たちは耳にタコができるほど言われ続けてきました。
そんな時代の猛者の一人が磯田さんでした。


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弊社の会長がこの世を去って10年。
当時、会長が亡くなった事を病院から真っ先に電話したのが磯田さんでした。
なぜ磯田さんだったのかは、生前会長が「磯ちゃと俺は同級生で、俺が小僧(大工見習い)の頃、磯ちゃも建材屋の小僧で、辛くなると磯ちゃも頑張っとるな〜と小さな体で建材を運んでくる姿に励まされた...」という話や「俺の結婚式の友人代表は磯ちゃだった!」という話を聞いていたからでした。
かなり動揺した感じで「磯田さん、会長が亡くなりました...」と伝えると、しばらく黙って「...はい...わかりました。こっちの事(協力業者)は任せて、社長もしっかり頼みます」と努めて冷静に力強く言っていただいた言葉がどれほど心強かった事か...生涯忘れられない心遣いをして頂きました。
葬儀からその後数年間、陰日向に協力や指導を頂き見守られ、なんとか社長になれた私です。
そんな磯田さんが旅立たれ、気づくと甘え寄りかかっていた『一時代の猛者』の多くが居なくなった事に気づきました。
『時代が終わっていくな...』と感じる小さな巨人の死でした。


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新しい時代...があれば古い時代があります。
皆様にとって『古い時代』とはいつの時代を指しますでしょうか?
20年前、10年前、5年前、1年前、決まりが無いのでなんかぼんやりしています。
きっとそれぞれの生きた足跡を振り返ってできる一定の線の塊まりみたいなものが時代で、それぞれが振り返る事でしか確認できないものなのでしょう。
そう考えると、きっと私たちも今『時代』をつくっているのだと思います。
それは誰かにとっての『一時代』であり『古い時代』になります。
猛者になろうと気負っても凄いことを伝えられはしませんが、私にとっての『古い時代の猛者』が生き様で教えてくれた『他者を思いやる心』みたいなものの精神は大切に伝えられるように生きていきたいと思っています。感謝!

「大工になりたい!」理由を聞いて
2020.8.21

皆さんこんにちは、社長の井坪です。
お盆休みが終わり、後半の業務が始まりました。
休み明けの朝の事務所は蒸し風呂のように暑く、いきなり汗が出ました。
異例の"朝イチエアコン"を発動させ、社員さんを迎えることが出来ましたが、異常な暑さの影響をココでも感じる出来事でした。
休み明けの体には厳しすぎる灼熱の気候...こんな時は、我慢強く根性のある社員さんほど心配になります。
健康第一で元気に働けるように、可能な限り安全な現場環境を作っていきたいです。


さて皆様はいかがお過ごしでしょうか。


8月19日。弊社に高校生が企業訪問&職場体験にやってきました。
企業訪問&職場体験では、私の会社説明から始まります。
今回もスタート時間より少し早くから準備を始めました。
すると準備を開始してすぐに事務員さんから「お客様がお越しになりました!」と声が掛かりました。
「えっ早い!」と驚きながらも、時間の早さはやる気の現れと理解し、説明をする部屋にお招きしました。
部屋に入ってきたのは、小柄で大人しい感じの女学生さんでした。
「おはようございます!社長の井坪です」と挨拶をすると、緊張が伝わってくる位の硬い表情で自己紹介をされ「よろしくお願いします!」と言われました。
「今日は大工の話でイイんだね?」と改めて尋ねると「はい!お願いします」と迷いのない返事。
訪問者は女性の大工志願者です。
わかっていても...まだまだ男性主体の世界ということで一応確認してしまいました。


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いつも通りに、男の子達と同様に『厳しくもやり甲斐だらけの職人の世界の話』をさせていただきました。
そして一時間程の説明を終え、現場見学に進む前に質問の時間を設けました。
「どんな事でもかまいませんが、何か質問はありますか?」と尋ねると、準備していたメモを出し「御社の求める人材像は?」と聞かれました。
「そうですね...嘘や誤魔化しがあってはならない仕事だから、素直で誠実で他者の幸せを喜びと感じられる人ですね」
「体力、知力はあったに越したことは有りませんが、それ以前に素直でないと正しい力も発揮できないしね」と答えました。
大きくうなずいて聞いている彼女は、なにか感じるものあったのか嬉しそうに笑っていました。


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「逆に質問させてもらいたいんだけど...なんで大工さんに興味を持ったの?」と訪ねました。
すると彼女のお母様のご実家が井坪工務店が施工させて頂いた家で、それが彼女が1歳の頃の出来事だったそうでして、お祖母様やお母様が語る"家づくりのエピソード"や"大工さんとの関わり""職人の仕事ぶり"の話を聞いていて歳を増すごとに素敵な仕事だな〜と憧れと興味を持ったとの事でした。
「ありがとう!素敵な理由があるんですね♪」と嬉しいエピソードと素敵な理由を聞かせて頂きました。
実はこのお宅、工事リーダーの北沢君と設計リーダーの棚田君が大工時代に施工したお客様の家でした。
『この話したら、めちゃくちゃ喜ぶんだろうな〜』と想像するだけで笑顔になれました。
その後、岩崎君が案内し工場→現場をまわり職場体験が終了しました。
「今日はありがとうございました!」と朝よりも穏やかな表情の彼女。
「参考になった?」と尋ねると「はい!」と大きな返事。満足はしてくれた様子でした◎
今後就職を希望されるかどうかはまだわかりませんが、弊社でも女大工が誕生しそうな予感がしました。感謝!