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和風建築と日本人の美学
2021.1. 1

明けましておめでとうございます!社長の井坪です。
旧年中は大変お世話になりありがとうございました。
今年もどうぞ変わりなき御愛顧をよろしくお願い致します。
元日1月1日が初ブログの日となり、なんだか特別なことが起きそうな予感を感じています。(※もちろん良い事で)
何事も自分の心次第とはわかっていても、神頼みをしたくなるのがお正月です。
『神様にはお願いに行くのに、お礼には行かない...』と誰かに聞いてたので、今年は昨年のお礼をしてから今年のお願いをしました。
我が家では、いつもより少し静かなお正月ですが、皆が健康で無事に新年が迎えられた事を嬉しく感じています。


さて皆様はいかがお過ごしでしょうか。


いつもの日と同じ元旦の朝を迎え、なんとなく読んでいた『和風住宅』。その一節にこんな事が書かれていました。
〜記事〜
日本建築が木で造られるようになったのは、単に、石や石を加工する技術がなかったからではありません。
古代には日本でも石を使ってエジプトのピラミッドよりも大きい古墳を造っていたのですから。
その理由は、①森林が身近にたくさんあったこと、②木の運搬に便利な河川や池も多かったこと、③地震が多い日本では、揺れに強い木の柱・梁・桁による骨組みが適していたこと、④高温多湿な気候に合わせた開放的な間取りには、調湿機能を持つかが適していたこと...などがあるといわれます。
しかし、気候風土以外にも、ものの見方や文化や精神的なものに因るところも大きいのです。
日本建築の根底には、日本の文化の『侘び寂び』のルーツともいえる『生者必滅=生きる物は必ず滅びる』という、仏教や禅の心があり、『家も人間と同じように、いつかは滅び、土に帰っていき、そこからまた新しい生命が生まれてくる』という輪廻転生の考え方があるのではないでしょうか。枯れる運命にあるのに一生懸命咲く花、私たちはそれを慈しみます。それが日本人の美学、『もののあわれ』ではないでしょうか。
木と草と土で出来た家もまた、決して永遠ではなく、いつかは枯れるように滅んでいくのです。ですから、美しい滅び方を考えた家づくり、というのもあるのかもしれません。
〜以上〜


pixta_28814517_Sのコピー.jpg

一方、住宅産業大予測2021にはこんな一節も
〜記事〜
2020年6月。シベリアで気温が38℃に、これが北極圏での史上最高気温であった可能性もあるという。永久凍土が融解すれば、大量のメタンガスが放出され、気候変動はさらに進行、新たな細菌やウイルスが解き放たれる可能性も...
〜以上〜

人間が狂わせてしまった地球環境と近代建築の建築の是非...色々と考える機会を頂けた元旦の朝でした。
和風を継承する建築屋の一人として、和風建築に宿る日本人の美学を知り、やっぱり『和』の思想は好きだ...と思いました。感謝!