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寧の心
2017.2.17

皆さんこんにちは、社長の井坪です。
色々なツールのお陰で便利な世の中になりましたが、なぜか忙しいのはと感じている今日此頃


皆様はいかがお過ごしでしょうか。


最近頂いた書物の中に『所作を丁寧にするだけで、人生は豊かになる』という文がありました。
ダラダラと読んでいると、先に述べた『忙しい』に触れていました。
著者は書道家の武田双雲さんです。
内容は、便利になり時間が短縮されたのになぜか忙しい...心は楽になるどころか苦しくなっているように思える。
書道家らしく漢字に例えると忙しいという字は『心が亡くなる』という事を説いておられました。
現代人は便利さと引き換えに丁寧に接する事(心)を忘れているかもしれない...
彼は書道教室で生徒さんに『丁寧』に書くように伝えているそうです。
〜文〜
丁寧と言っても、ただゆっくり書けばよいということではありません。
丁寧とは漢字のとおり、寧の心。安らかな心でないと丁寧とは言えません。
上手いとか下手とかにとらわれていては、心は安らかではなく、比較や評価の心はどこかに置いて、墨の美しさや香り、筆の毛の動きのこまやかさ、紙から返ってくる感触。それらをしっかりと感じること。心が整っていることなのです。
しかし人は早く上手くなりたいとか、失敗するのがいやだ、褒められたいという気持ちもあって『今』を味わうことなく、未来への不安や対策にとらわれがちです。これが忙しくなる原因となります。
丁寧にやりると遅くなるイメージがありますが、実は速い。
心が安定しているので動きに無駄が生まれにくく、ミスも起こりにくい。
ノイズがないので、問題になるようなことを引き寄せないため、速いのです。
結果として所作も美しくなるので、それに呼応するように筆や墨も共鳴してくれます。
これは書道の世界だけでなく日常のあらゆることすべてに応用できます。
起きる、着替える、顔を洗う、食べるなどの所作が丁寧になると、生活が豊かになり、体も心も円滑になっていき、人間関係も円滑になります。
ひとつひとつの所作を丁寧にするだけで人生は豊かになっていくのだと実感しています。
〜文〜
忙しいを解消するひとつの解がここにある『丁寧』なんですね。

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先日の社員旅行で訪れた広隆寺(平安京遷都以前から存在した、京都最古の寺院である。国宝の弥勒菩薩半跏像を蔵することで知られ、聖徳太子信仰の寺でもある。)も丁寧な仕事がされていました。
ここのお寺の工事に使われたであろう《カンナ》を見つけて。棟梁達の無言のひと時...
時代を超える建築の凄さ、古の職人達の誇り高き仕事を肌で感じてきました。

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確信したことは
《いいものはいつも人の手でつくられる》ということ。(※これは不滅)
丁寧な手仕事は時を超えて使う人はもちろん、見る人にも幸せをくれます。
移り変わりが早く忙しい時代。文字通り心を亡くしているような事が原因の問題も起きています。
便利さと引き換えに丁寧に接する事(心)を忘れないように、寧の心を大切にしたいですね。感謝!