鬼瓦のように

みなさんこんにちは、社長の井坪です。
長袖では暑い陽気になった今週...皆様いかがお過ごしでしょうか。

先月、久々にスーツを購入した際に、担当して頂いた定員さんに『礼服もいかがですか？』と言われました。『滅多に着ないから結構です』と丁重にお断りしたのですが...
それから、従業員の親御さん、お世話になった方と、お葬式が続いてしまいました。
数年前まで立て続けに続くのは【結婚式】だったのですが、最近は【お葬式】の方が多くなっています。
若僧から大人に...そんな歳になったのかも知れません。

数日前、弊社の生き字引【佐々木宗充　大棟梁】が休み時間に私の席にやってきました。
話は昔、同僚だった大工さんが亡くなったという内容です。
自分も幼い頃にお世話になった方でしたので、なんとか話題にはついて行けましたが、ほとんどが私の知らない話でした。
その方を通じての、楽しかった話や仕事に厳しい人だった話など色んなエピソードを聞かせていただくことが出来ました。
『寂しいな～』という最後の言葉に返す言葉を見つけることが出来ませんでしたが、井坪工務店50年の歴史を作ってくれた鬼軍曹たちの話は、私にとって　とても貴重な内容ばかりでした。

古くより日本家屋の四方には【鬼瓦】というモノが使われてきました。
外部に向かって鬼の形相を表すのは、外の邪気を中に入れない為と教えられました。
いつも守ってくれる強い鬼がいたから、成長することができたんだな～と【鬼】の役割になって始めてそう感じる事が出来ます。
厳しくも愛を持って指導してくれた【屈強な鬼達】が去ってゆく中で、私は【強い鬼】になれているのだろうか？と自問自答する時があります。正直...まだまだです（反省）
強さが出ると優しさを失い、優しさが出ると強さを失ってしまう現状です...意識して精進するしかありません！

自分がそうやって守られ育ててもらった様に、やがて自分が思う【強く優しい鬼】になれたらと思っています。邪気を払い大切なモノを守り、意志を継承しながら次代の鬼を育てて行けるように。